細胞農業の産業化に弾み細胞培養上清の商業生産向け作出装置「改良型C-CulNet」の稼働を開始
~細胞培養食品の低コスト生産を実現する体制構築に向けて前進~

研究開発

細胞培養技術の社会実装を目指すインテグリカルチャー株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役CEO:羽生 雄毅、以下「当社」)は、商業レベルでの培養上清液の生産を目的とした「C-CulNet」を当社生産拠点に導入したことをお知らせします。

本装置は、中小企業イノベーション創出推進事業(フェーズ3基金事業)の支援を受けて開発されたものです。細胞培養食品の生産コストに大きく影響する培養液を、低コストかつ安定的に生産する体制を構築し、細胞農業の産業化を大きく前進させます。

開発の背景と目的
世界的な人口増加や環境問題を背景に、持続可能なタンパク源として「細胞培養食品」への期待が高まっています。しかし、培養液に使用する動物血清成分が高コストであることや、安全性の懸念から社会実装において大きな課題となっていました。

当社は創設以来、細胞自身が成長因子などの有用成分を培養液中に豊富に分泌することから「培養上清」に着目してきました。動物血清の代替としてこの「培養上清」を活用することにより、培養液を低コスト化する独自の汎用大規模細胞培養技術「CulNet® System」を開発することができました。この技術を細胞培養食品の生産へ応用することで、動物血清に頼らない低コストな生産技術に繋がると期待されます。

このたび稼働を開始した「改良型C-CulNet」は、この「CulNet® System」を商業生産レベルへスケールアップさせるための重要な装置です。開発にあたっては、CulNet®コンソーシアムを通じて技術交流を深めてきた株式会社荏原製作所より、技術的な助言をいただきました。
当社は培養上清の安定生産の実証にむけ、引き続き開発を進めてまいります。

【本件に関するお問い合わせ先】
インテグリカルチャー株式会社 広報担当
E-mail: tanaka@integriculture.com
TEL: 080-7141-0954
事業企画部:田中