シンガポールのShiok Meats社と「エビ細胞培養肉」の研究開発を開始。エビ培養肉を安価で大規模に製造することを目指す。
インテグリカルチャー株式会社は、Shiok Meats Pte. Ltd.(本社:シンガポール、以下、「Shiok社」)と共同で、エビ細胞培養肉の共同研究を開始しました。インテグリカルチャーの食品グレード培養液と汎用大規模細胞培養技術(CulNet System)はこれまで、牛と家禽の細胞で有効性が確認されております。本研究ではこれらを新たに甲殻類の細胞にも拡張し、長期的にはエビの細胞培養肉を安価で大規模に製造することを目指します。
細胞培養肉の原料である培養液は、タンパク質、糖質、脂肪、ビタミン、ミネラル、血清成分から成り、特に血清成分の低価格化が培養肉の実用化において鍵となります。
本研究ではCulNet Systemの技術をベースに、血清成分を添加せずにエビの細胞を大量培養する技術を開発しています。Shiok社は、この培養技術を活用し製造される培養エビ肉を2022年頃商品化することを目指します。
尚、本研究は、2020年5月に開始したCulNet Systemで個別企業様の細胞培養商用化をサポートする「CulNetパイプライン」のソリューションスキームにて運用します。
■Shiok Meats Pte. Ltd.(シンガポール)について
Shiok社は、幹細胞の研究者であるDr. Sandhya SriramとDr. Ka Yi Lingが共同で設立した、シンガポールと東南アジアで初の細胞農業企業です。Shiok社は動物ではなく細胞から食肉を製造することで、クリーンで上質で健康的な魚介類や食肉を提供することをミッションとしており、甲殻類の細胞培養肉(エビ、カニ、ロブスター)に取り組んでいます。「SHIOK」とは、シンガポールとマレー語のスラングで「ファンタスティックで美味しい」という意味になります。
https://shiokmeats.com/
Dr Sandhya Sriram (CEO)コメント
“We at Shiok Meats are excited for this collaboration and the initial positive results that we have obtained. We believe that Integriculture’s cutting-edge technology will be a worthy solution for the expensive growth media issues that we face in the cell-based meat industry. Shiok Meats, being the world’s first cell-based crustacean meat company and the first cell-based meat company in SE Asia, is happy to collaborate with a Japanese company like Integriculture to accelerate the commercialization of our sustainable and clean meat products.”
日本語訳)
「私たちShiok Meatsは、今回のコラボレーションと、(事前試験における)ポジティブな結果に興奮しています。 インテグリカルチャーの最先端テクノロジーは、細胞培養の食肉産業で直面している高額な培地問題に対する価値ある解決策になると信じています。 Shiok Meatsは、世界初の甲殻類の培養肉会社であり、東南アジア初の細胞農業会社です。インテグリカルチャーのような日本の会社と協力して、持続可能でクリーンな肉製品の商品化を加速させていきます。」
■CulNetパイプラインについて
CulNetパイプラインは、CulNet Systemを用いて、個々の企業様が希望される動物種の細胞を使い、細胞農業商用化をサポートするソリューションです。詳細は下記をご覧ください。
https://integriculture.jp/product/